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しばらくその資料に眼を通すが、一枝の溜息が聞こえてくる。
「どうした? 浮かない顔をしているが」
「……報告書を見て頂ければ、わかると思いますが」
資料を手に孝弘は椅子に体重をかけ、ふむ、と砕けた一言。
「不安か?」
「もの凄く……ね」
肩をすくめ、再び溜息。上司に見せるような態度ではない。
「父さん……私情を持ち出す訳じゃないけど、班編成、もの凄くアンバランスじゃない?」
「アンバランスなのは百も承知してただろう?」
「そりゃあ……覚悟はしてたけど……」
「長所もあるだろう。栗山は性格に問題はあるが、実力はトップクラス。お前が巧く指導してやれば相当な『インヴィテイション』になる」
「……彼がちゃんと指導に従ってくれたら、ね」
「それに、原はエネルギー総量が高い。コツを教えてやれば対複数戦のエキスパートになるぞ」
「……そのコツを教えるのが、凄まじく難しいんだけど?」
「白名の存在は希少だぞ? ああ見えて空手の全国大会三位だし、体の使い方が巧い」
「……それ以前に、怯えてばっかりで、コミュニケーションが取れないと思う……」
これに孝弘は大仰にお手上げのポーズを取り、
「もう音をあげるのか? 奴等に笑われるぞ?」
「……音をあげている訳じゃない」
ムスッ、と、鋭い眼光を向ける。
突破口は、確かに孝弘が言ったとおりだ。全ての課題をクリアできれば、このチームはかなりの有望株揃いだ。
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