|
「え?」
「……おい」
「ちょ、ちょっと待って!」
「……あの……」
いきなりの宣言に当惑する勇樹、不機嫌そうに腕を組む誠二に、朱実は慌てて声を発し、香は青い顔をしつつも小声で尋ねる。
「どうしてここで全員が一緒に生活しなきゃいけないんです?」
勇樹は論理的に一枝を論破しようと問いかけるが、
「『インヴィテイション』にはチームプレーが要求されるケースが多々ある。皆は―誠二君と朱実ちゃんは別だけど―赤の他人。そんな皆が、皆を知るには、一緒に生活するのが手っ取り早いでしょう?」
逆に、論理的に言い寄られてしまった……
「……え、えーと、それは」
「僕は嫌だぞ」
しかし、ここに子どものような反応を示す少年が一人。
苦り切った表情で呟く誠二だ。そんな誠二をこれまた苦虫を噛み潰した顔付きで見やる勇樹。
(……共同生活をしなきゃいけない主因は、きっと、コイツの協調性の無さだな)
その思い込みが事実である事を、勇樹は知らない。あくまで『主因』であり、『全て』ではないという事も、勇樹は知らないが。
「あんたがそんな事言うからでしょう! 大体あんた、札幌高校に進学してんじゃなかったの?」
「うるさい、聞きたくない。黙っていろ、このヒステリック」
「ひ、ヒステリック?! じゃああんたは何なのよ!」
朱実の説教をやり過ごすべく、誠二は耳を塞ぎ頑強に抵抗する。
香は自分の身体をギュッと抱き締めているだけ。
一枝と眼が合う。眼が、疲れ切っていた。
勇樹は、少しだけ、この新米の教官に同情した。
|