インヴィテイション
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序章 憎む理由
誓約
サイン
邂逅
武器
自己紹介
難題
難題2
不協和音
双剣
選択
理由
前代未聞
浦沢
夢2
制御
制御2
弱点
戦う理由
天敵の巣窟
戦う理由2
難題3
父の死
赤点
退学?
落第通告?
活路
活路2
悪足掻き
NEWS
  弱冠暗くなった室内の事は気にせずに、一枝は感心したように頷くと、少女の元に向かう。 「お、おい! あぶな」  勇樹が制止する前に、一枝は鋭い鞭の攻撃を最小限のフットワークだけで回避し、少女の懐に潜り込み、『グリンガム』を持つ手を抑えた。すると、鞭はまるで飼い主に咎められた動物のように、その破壊的な運動を終えたのだ。一枝は左手に持った資料と少女の顔を見比べて、 「うん、原朱実さん。貴女は『グリンガム』があっているみたい。操作は大変だけど、やってみない?」 「え? あ、は、はい」  何でもなさそうに告げる。  これには誠二も驚いたようで、両手に剣を持ったまま一枝を凝視していた。 (……あの若さで教官になったのは伊達じゃない、って事か)  その点に関してだけは、安心してもよさそうだ。 (もっとも、現時点の自分達よりも優れているだけで、他の教官よりも優れているのかどうかはわからんがな) 「……まさか最初から『グリンガム』が使えるなんて誰も思わないし……怒られちゃうな……修理費、給料から天引きされちゃう」  一枝はがっくりと肩を落としつつ、勇樹に眼を向ける。 「で、勇樹君は決めた?」 「えっと……」  何が良いのだろうか? インヴィテイションにはチームプレーが求められる事くらいは、勇樹も知っている。  誠二が剣を使い、君香が素手という事は、二人は接近戦がメインという事だ。そして朱実の鞭は中距離、といった所か。  なら、遠距離の銃、だろうか?  そう考え、勇樹は手頃な銃を手に取った。 「撃っても良いですか?」 「どうぞ」  数十メートル先の的目掛けて銃弾をたて続けに放つ。   一発、二発、三発。  引き金を引くのと同時に、体が少しだけだるくなるのを感じる。 自身の体内から放たれている電磁波を『中和線』に変えているため……と教官が言っていた事を勇樹は今更ながらに思い出したが、寝ていたので詳しくはわからない。さらに言えば、勇樹が着ているジャケットやヘッドギアも、体内で発生している電磁波を『中和線』に変換、増幅する事で、体外からの電磁波を相殺し、身を守る仕組みになっているのだが……これも寝ていた勇樹は知らないのだろう。  銃弾は全て的には当ったが……一発だけ、ど真ん中から外れた。  だが、銃器をろくに扱った事もないにしては上出来だ。 「……君は、こっちの方が良いかも」  そう言って一枝が差し出したのは、やはり銃。だが今勇樹が使ったのよりも、銃身が太く、長い。しかも、やや重い。  教官から出た初めてのアドバイスだ。それをむげにするのもどうだろうか。そう考え、勇樹は渡された銃を構え、引き金を三度引く。  弾丸は、全てど真ん中に当った。それに扱い易い気がする。 「……どう?」 「さっきのより重いのに、扱い易いですね」  どうしてだろうと思いつつも、勇樹はさらに何度か撃ってみる。  だから、何故一枝がこの銃器を勧めたのかまでは、勇樹は深く考えなかった。