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そんな中、細身の若い男が円卓に身を乗り出した。
「校長の言い分も、もっとも。事故が起きたのは真に遺憾ですが、あのような事故が発生はしても、死者が出なかったのは班長の能力が高いとも取れます」
ここは、穏便に済ませませんか?
細身の若い男の仲介案に、残る六人が渋々頷いた。
顔を伏せていた一枝に、横目であるいはチラリと憎々しげな視線を浴びせ、六人は退室していく。
「……お前に助けられるとはな、浦沢」
「助けた訳ではありませんよ」
彼―浦沢成和―には、左頬に鋭く、深い傷が走っていた。細身ではあるが体格の引き締まり方から判断しても、『制服組』ではないだろう。
「場の流れに乗っただけ。今回は、押し切れないと判断しただけです。自分一人が責任を取っても、普通の一教師ならばともかく、貴方も巻き込んで責任問題に発展させるのは難しいですし……」
答えた浦沢は静かに席を立つ。
「彼女をこの場から消すまでは、スクールを去る訳にはいかないのでね、私は」
そして……先程退室した六人よりも冷ややかな視線で、しかし、他の六人とは違い、一枝を直視してこう言った。
「教師として……いえ、『インヴィテイション』として、神一枝は不適格です」
「……浦沢……!」
この一言に、孝弘は席を立ちかけるが、一枝が目配せした事で腰を浮かすだけに終わった。
「では、失礼」
一言を残し、虚しくドアが閉まる。
「……一枝、気にする事はない」
「大丈夫よ、父さん。ああいうのは慣れてるわ」
孝弘の声に顔を上げ、一枝は、
「それに、事実だしね」
勇樹達には決して見せない、昏い笑みを顔に閃かせた。
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