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頷き、納得しつつ、
「もう……私のような被害者を、これ以上、出したくないんです。だから、その……今回は……出過ぎた真似を」
ぼそり、香は呟く。
その一言で、勇樹は場に固まった。
頭をさげ、香は去る。カンカン、と階段を下りる音が聞こえてくるが、勇樹は声もかけなければ後ろも振り向かない。
復讐。
どうして自分は、香が『インヴィテイション』になった理由を、そう思ったのだろうか?
復讐を考える人間が、他者を思いやれるだろうか?
他者を思いやれないような人間が、あの状況で、誠二を助けようなどと言い出す訳が無い。
なのに……どうして、『私のような被害者を、これ以上、出し無くないんです』ではなく、『共鳴体に対する復讐』と自分は考えたのだろう?
どうして、そんな自分本位な理由を考えたのだろう?
「……他人の理由は、関係無いさ」
俺は、俺のためだけに戦う。
借金を返すためだけに戦う。
闘う理由は、それで充分なはず。
……仕事で日に日に痩せていった母の姿は、今でも覚えている。
……そう……俺は決めたんだ!
ゴツッ、と鈍い音が壁から響く。
晴れた夜空は何も言わず、そんな勇樹を見届けるだけ。
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