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そうして勇樹は今現在、『インヴィテイション養成所札幌支部』に身を置いているのだ。
「遺伝子改変・神経手術をし、なおかつ危険である『インヴィテイション』になりたがる者は非常に小数であるため、諸君のような人材は極めて希有なのです」
遺伝子改変と神経手術を二週間前に行い、性格検査を受け、その他諸々の試験を終えて勇樹は今、ここにいる。
「共鳴体の破壊は、諸君が体内で発生させている電磁波を『中和線』と呼ばれる波長に変換させる兵器を用いて行われます。取り扱いには細心の注意を払い、必ずヘッドギアとジャケットの装着を……」
誰も反応しようとしない。早く実戦に移れ。誰もがそう言っているように、勇樹の眼は見えた。そう思っているのは、自分だけかも知れないが。
「では、班ごとに分かれてもらいます。講義を受ける前にプレートが渡されたはずです。そのアルファベットのプレートをしている教官の前に来て下さい」
勇樹は渡された札に眼を落とす。
(B、か……BADのBじゃなきゃいいがな)
前に進み出て、Bのプレートをしている人物を見て、
(……どうやら、教官についてはBADのBらしいな)
勇樹は溜息を気付かれないようについた。
何故なら……他の教官は、大抵が三十台の男性。つまり、それなりに実戦を経た『インヴィテイション』であると推測される。一人だけ、二十代後半と思われる男性がいる事にはいるが。
だが、勇樹の教官は……若い。自分と同い年と言われても頷いてしまいそうだ。たった一人の、女性……しかも染めているのか、髪は白。右半分の顔は伸ばした前髪に隠れていて見えず、伸ばした後ろ髪はそのまま腰に下ろしている。
こんなので大丈夫なのか……?
「おい、あんたが教官なのか?」
声は後ろから聞こえてきた。勇樹はその無礼としか形容のしようがない問いを発した人物に眼を移した。
腕組みをし、敵意を含んでいる言っても良い鋭い眼光。割と細面だが、それが短い頭髪に似合っている。勇樹よりも年下に見える。
「はい、私が教官の神一枝です」
それを聞くと、後ろの少年はあからさまに顔をしかめた。
しかし、一枝と名乗った教官はにっこり微笑み、
「私が教官なのが、不安ですか?」
機先を制するようにそう言った。
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